愛媛県保険協会は、ロシアのウクライナ侵攻に対して「ロシアの暴挙に抗議するとともにウクライナからの即時撤退を求める」抗議文を駐日大使館、愛媛県出国会議員、愛媛県知事、愛媛県番町記者クラブに送付しましたのでご紹介いたします。

声明「ロシアの暴挙に抗議するとともにウクライナからの即時撤退を求める」

 ロシアのプーチン大統領がウクライナへの侵攻を2月24日に開始した。主権国家ウクライナへの武力侵攻行為は、国連憲章、国際法を踏みにじるものである。砲撃や空爆は軍事施設だけでなく、対象としてはならない病院や学校などの施設にも及び、子どもを含む多くの民間人が死亡・負傷する状況をも引き起こしている。住宅への砲撃は一段と激しさを増し、住民の安寧な日常生活を奪っている。また、国際法上禁止されているクラスター弾と思われる兵器の使用もあり、人道上も断じて許されない暴挙である。さらにチェルノブイリやザポロジェの原子力発電所への攻撃は言語道断である。

 悲劇はウクライナの人々だけでなく、各国に居住するロシアの人々にまで及んでいる。ロシア人というだけで非難され、脅迫され、生活を脅かされている。また、このような暴挙が続けば、ウクライナの人々、特に子どもたちの心に深く禍根を残すことになり、ロシアへの反感が尾を引くことになる。

 また、プーチン大統領は2月27日、西側がロシアに非友好的な行動をとり、不当な制裁を科したとして、戦略的核抑止部隊に「特別警戒」を命令した。これは核兵器による威嚇そのものである。大量破壊兵器による攻撃、国家の存続を脅かす通常兵器での攻撃、核の報復攻撃を阻止するような敵の工作といった核使用基準を一方的に決め、核の「先制使用」をも辞さない姿勢を示した。

 2021年に発効した核兵器禁止条約は、21年12月28日時点で署名が86ヶ国・地域、批准が59ヶ国・地域に及び、地球上での核兵器の使用禁止を叫んでいる。多くの国々が核兵器使用禁止を望む中、自国の野望実現に核兵器使用を示唆することは、全ての生命への冒涜でもある。

 3月2日に開催された国連緊急特別総会では、ロシア軍のウクライナ侵攻を非難する決議案が、141カ国と多数の賛成で採択された。決議は、ロシアのウクライナ侵攻を国連憲章違反とし、ロシアによる軍事作戦の宣言を非難し、ロシアによる武力行使の即時停止と即時撤退、そして、親露派支配地域の独立承認の即時撤回を要求している。世界の多くが採択した決議をロシアは早急に受け入れ、侵攻による犠牲者をこれ以上出さないように、そして、ウクライナの国の破壊をこれ以上行わないようにすべきである。それには早期に撤退するしかない。

 私たちは、生命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、ロシアに対し、軍事行動の即時停止とウクライナからの即時撤退を求めるものである。

2022年3月12日

愛媛県保険医協会 理事会

 

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